意地の2部優勝

3年生最後の大会であった近畿私学大会、最終的には2部での優勝でした。

目標は初日に全勝して1部に残り、全国私学大会への出場権を後輩たちに残してやることでしたが、それは叶いませんでした・・・。

 これまでは自分たちがインターハイや春高の全国大会に出場することを目指してがんばってきました。それがかなわず最後となった近畿私学は、”自分たちは出場できない”全国私学大会の出場権獲得を目指すという戦いでした。

 みんな自分の利益である「利己」のためにがんばってきました。しかし、最後の最後は後輩たちの利益である「利他」のためだけに力を振り絞るのです。こんなに素晴らしいことがあるでしょうか。小さな子どもは意識もせず「利己」のためだけに生きています。しかし、周りの大人は他人(子ども)の幸せ「利他」を願い、それを自分の幸せと考えて見守っています。みんなどこかで意識が変わっていき、「大人」になっていくのです。この高校3年間の中でも、このように「利他」のために戦うことは、成長にとって本当に尊いことです。

 

 予選リーグ戦の初戦、いきなり勝負の関大北陽戦では1セット目を完璧な試合運びで取って王手をかけましたが、2セット目から徹底的にサーブを狙われて、追いかける展開に。最終セットもシーソーゲームとなりましたが、最後の最後に競り負けて13‐15で敗れました。

 失意の中で翌日は各ゾーンの2位チームが集まる2部に回りました。目標の達成はなくなりましたが、組合せが1回戦・比叡山、準決勝・東山、決勝・神戸弘陵と、練習試合をした仲間や京都のライバルとの負けられない対戦となり、3年生の心に火がつきました。

  特に東山は中学のころから有名な選手ばかり。中学時代の実績ではとても叶いませんが、自分たちの歩んできた道とその成長の確かさを証明するかのようなプレーを見せることができました。お互いの意地の対決は緊張感の高い、充実したゲームとなりました。

 そして決勝も。互いに知っているチーム同士の対戦ばかりとなったこの日は、厳しさの中にもお互いを認め合う温かい雰囲気が流れていました。

 

 入学以来、チームを支え続けてくれたこの3年生の最後の1日は、その集大成にふさわしい1日となりました。新型コロナで活動が十分にできないときもたくさんあったけど、腐らずにほんとうによくがんばってくれました。3年間お疲れ様。素敵なプレーをありがとう。