それぞれの幸福

 ネットやメディアのニュースなどでは春高の予選について、おもに決勝戦の組み合わせや結果だけが報じられ、各都道府県の代表校を紹介するものがほとんどです。しかし、それまでに敗れたそれぞれの学校や選手にも思いやドラマがあり、試合に敗れて満足することはないとは言え、それぞれのチーム・選手なりの満足感や幸せがあります。

 私たちは自分たちの行動にも一因があるとはいえ、インターハイ予選では新型コロナの大きな影響を受けました。監督を欠き、主力の不調を抱えて大会にのぞむことになり、今まで一度も敗れたことがない西城陽に苦杯をなめました。

 日常の行動やバレーへの向き合い方を見つめ直し、目標を見失わずにどう一歩一歩向かっていくか。そのことを立ち止まっては問い直し、行き詰まっては見直しながらここまで進んできました。因縁の西城陽との再戦では終始拮抗した展開でありながらもほとんどリードを許さずにストレート勝ちでリベンジを果たしました。決勝進出をかけた大谷戦。強豪の東山と洛南が逆サイドへ集まるという千載一遇のチャンスをモノしたかったのですが・・・。

 

 敗れた中にも達成感があったり、幸福を感じることはあるのです。だからといって敗れたことの言い訳にすべきではありませんが、だからといって過程への満足感は損なわれるべきでもありません。手に入れることができた大きな幸福を自信に変え、失った栄光への渇望を次への原動力として、新たな目標へと向かっていきます。「勝つ」ことはとてもとても素晴らしいものですが、敗れたことをどう生かすかは高校生の成長にとっては最も大切なことです。

 

花園高校バレー部を応援し、支えてくださったみなさま、応援までにはいたらなくても結果などに関心を持ってくださったみなさま、本当にありがとうございました。